ゴルフ

シャフトを軽く、長く。ヘッドスピードが上がり飛距離が伸びる。

ゴルフクラブの要求性能は“ボールが遠くへ飛び、方向性が良いこと”に尽きます。“飛び”に対しては、クラブを軽くしてヘッド速度を上げ、ボールの初速度を早くすることが重要ですので、シャフトの軽量化が求められます。その際、折れないように強度を維持することが重要な課題となります。トレカ®では弾性率24tf/mm2の標準弾性率高強度糸や弾性率30tf/mm2の中弾性率高強度糸を開発し、曲げ強度を発現するストレート材の高性能化を実現しました。さらに近年では、これまで技術難易度が高いとされてきた高強度と高弾性率化の両立を実現した、高強度・高弾性率炭素繊維トレカ®「T1100G」や、ナノアロイ®技術を適用した高性能プリプレグを新規に開発し、軽量化の極限追及に貢献しています。

もう一つの要求性能である“方向性”については、シャフトの中心軸とヘッドのボール打点がずれてヒッティングした時に生じるシャフトねじれが方向性を悪くしないよう、“ねじれ難く(「トルク」を小さく)”することが重要となります。ねじり剛性は積層角度±45°が極大値を持つことから、“ねじり(トルク)低減対策”は±45°を積層に入れる方法が採られ、弾性率40tf/mm2の高弾性率糸はねじり対策バイアス材の定番材料として定着し、現在では46tf/mm2以上の高弾性率トレカ®が活用される場合もあります。

プリプレグを使用するシートワインド成形によるシャフトは、長手方向に対して、±45°の内層(アングル層あるいはバイアス層と呼称)と、長手方向0°材(ストレート材と呼称)およびヘッドホーゼル部の補強・補厚材が基本構成であり、シャフト特性はこれらの組合せで、“フレックス、トルク、重量、キックポイント等”が決まります。炭素繊維では積層角度および厚みなどの組み合わせから、従来の金属材料では不可能だったこれらの性能を最適設計することが可能となり、最適性能を最軽量で実現する材料となっています。当社では、豊富な材料データベースや過去の知見を活用したCAE解析技術により、最適設計のお客様への提案も行っています。

また近年では、ゴルフヘッドの重量設計の自由度向上を目的に、クラウン部のCFRP化による軽量化が流行しています。トレカ®は、意匠性を目的としたクロス(織物)や、プレス成形に最適な速硬化樹脂のラインナップで、この用途にも活躍の場を広げています。

このようにゴルフシャフトのフレックス、トルク、重量、キックポイントや、ゴルフヘッドの重量配分等の要素を、各ゴルファーの体力に合わせた最適な設計にすることで、業界随一のラインアップを誇るトレカ®はアベレージゴルファーからトッププロまで、又ハードヒッターからシニア・女性ゴルファーまで、多種多様のゴルフクラブで採用されています。トレカ®が今後もゴルフの進化を支える重要な材料となることは間違いありません。

Why TORAY Materials?

ゴルフ市場の多様な要件に適合する複合材料ソリューションを幅広く提供しています。

軽量

高強度と高弾性率の両立を実現した炭素繊維トレカ®T1100Gや、ナノアロイ®技術を適用した高性能プリプレグなど、東レの革新技術が軽量化の極限追及を可能にします。

意匠性

美しい外観が要求されるゴルフヘッドには、高品位な織物をご提案します。

最適設計

東レは炭素繊維製ゴルフシャフトのパイオニアです。長年の知見、豊富な材料データベース、CAE解析技術を保有しています。ねじれ難く、折れにくい、各ゴルファーの体力に合わせた最適設計をご提案します。

多様な樹脂ラインナップ

トレカ®プリプレグに使用されているマトリックス樹脂(エポキシ樹脂)は、炭素繊維の性能を十分に引き出すだけでなく、力学特性を向上させたナノアロイ®技術適用樹脂、プレス成形の生産効率を高める速硬化樹脂、高耐熱樹脂、振動吸収樹脂、耐衝撃性向上樹脂等の多様なラインナップを有しています。

ナノアロイ®

ナノアロイ®技術は革新的な微細構造制御技術であり、その基本特許、コアプロセス特許、一般特許は当社が保有しています。

トレカ®T1100G; トレカ®M40X;

強さ(強度)と硬さ(弾性率)の両立をより高い次元で適えた第3世代炭素繊維
トレカ®T1100Gとトレカ®M40Xの詳細はこちら

東レのゴルフ用複合材料

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Toray Composite Materials America

Toray Composite Materials America, Inc.

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