自転車

重量1kgのアルミフレームに対し、カーボンフレームは500g台へ突入。目を見張る軽量化効果で、炭素繊維は自転車用途でも注目の素材です。

自転車用途は、スポーツ用途の中でも近年大きく需要が拡大しており、スポーツ単一用途としてはゴルフ、釣竿を抜き、最大のカーボン需要量を誇ります。本格的自転車ロードレースは欧州で盛んですが、国内でも専用道路を颯爽と走るロードバイクや山岳コース等オフロードでのマウンテンバイクが数年前から目につくようになり、炭素繊維を使った自転車が“カーボンバイク”と呼ばれ国内専門雑誌を賑わしています。

自転車はフレームやフォーク、ハンドルバーなど“骨組み部構造体”と、動力伝達・制御を行うホイール、クランク、ギアー、変速機、ブレーキ、ブレーキレバー等の“コンポーネント部”で構成されています。トレカ®は1980年代中頃に台湾自転車メーカー開発のフロントフォーク用に織物やプリプレグが初めて採用され、ホイールディスクや先進的なカーボン製モノコックフレームなどが登場しました。その後、フレームサイズの金型など大型設備が必要なこともありモノコック自体は足踏みしましたが、ゴルフシャフト・釣竿・ラケットなどで培われた一方向プリプレグや織物プリプレグによるパイプ成形技術を適用したカーボンパイプ(前三角と後三角を構成する8本のパイプ・チューブとも言う)をラグ(継手)で繋ぐフレームが開発され、マウンテンバイクやロードバイクへの適用が世界中で進みました。またホイール部のリムやクランク等のコンポーネント部分もカーボンプリプレグ適用が進み、更に設計、成型技術の進化もあり、カーボンモノコックフレームが標準化し、軽量化と高剛性化、耐久性を求められる車体の改良に貢献しています。

東レは現在、お客様からの幅広いご要望にお応えすべく、炭素繊維のデファクトスタンダードであるトレカ®「T700S」から、従来困難とされていた高強度と高弾性率を両立させた最先端材料トレカ®「T1100G」、「M40X」など、業界随一の炭素繊維ラインナップを揃えています。しかしコンポジット製品の性能は炭素繊維のみでは決まりません。東レは炭素繊維のみならず、コンポジット特性に大きく影響する樹脂についても研究開発を進めてきました。ナノレベルでの材料制御技術であるナノアロイ®技術適用樹脂を生み出すことによりフレーム強度向上、軽量化を実現してきました。これら東レの最先端材料は、世界のトッププロが集うツールドフランスを走る自転車にも数多く使用されています。

また近年、E-BIKEと呼ばれる電動補助付き自転車も登場しました。E-BIKEは排出ガスを出さないことから環境負荷低減につながり、かつ都市部の渋滞緩和も可能とすることから、特に欧米地域を中心として自動車や公共交通機関からE-BIKEへ移動手段を切り替える人が増えています。都市のみならず、これまで体への負荷が大きく走行者が限られていた山岳のオフロードでも、E-BIKEの普及によって子供からお年寄りまでより多くの人々が楽しめるようになり、人々のQOL向上につながっています。このようなE-BIKEにおいてもトレカ®は軽量化の一翼を担っています。車体重量の軽量化によりバッテリーへの負荷を低減させ、航続可能距離の延長、またはバッテリー体積のコンパクト化を実現しています。

このように東レの材料は幅広い製品ラインナップを元に、自転車競技の更なる進化、新しいライフスタイルへの変化を支えています。

Why TORAY Materials?

自転車市場の多様な要件に適合する複合材料ソリューションを幅広く提供しています。

軽量

高強度と高弾性率の両立を実現した炭素繊維トレカ® T1100GやM40X、ナノアロイ®技術を適用した高性能プリプレグなど、東レの革新技術が軽量化の極限追及を可能にします。

豊富な炭素繊維ラインナップ

機械物性やフィラメント数など、業界随一の幅広い製品ラインナップを有し、高性能、高品位、安定供給を強みに、お客様のご要望にお応えします。

ナノアロイ®技術

東レが開発したナノレベルでの材料制御技術を適用し、力学特性を向上させた高性能樹脂。ナノアロイ®技術適用樹脂と炭素繊維トレカ®の組み合わせにより、フレーム強度向上、軽量化を実現できます。

多様な樹脂ラインナップ

トレカ®プリプレグに使用されているマトリックス樹脂(エポキシ樹脂)は、炭素繊維の性能を十分に引き出すだけでなく、力学特性を向上させたナノアロイ®技術適用樹脂、プレス成形の生産効率を高める速硬化樹脂、高耐熱樹脂、振動吸収樹脂、耐衝撃性向上樹脂等の多様なラインナップを有しています。

ナノアロイ®

ナノアロイ®技術は革新的な微細構造制御技術であり、その基本特許、コアプロセス特許、一般特許は当社が保有しています。

トレカ®T1100G; トレカ®M40X;

強さ(強度)と硬さ(弾性率)の両立をより高い次元で適えた第3世代炭素繊維
トレカ®T1100Gとトレカ®M40Xの詳細はこちら

東レの自転車用複合材料

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Toray Composite Materials America

Toray Composite Materials America, Inc.

アメリカ プリプレグ:スポーツと産業
Toray Advanced Composites

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