「東レ株式会社はH3ロケットを応援します」

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、主力ロケット「H-ⅡA」の後継機である「H3」試験機1号機を2023年2月15日に打ち上げる予定です。

 主力ロケット「H-ⅡA」では、東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)の航空機向け炭素繊維「トレカ®」がモータケース(固体燃料の格納と燃焼室に当たる部分であり、ロケット本体の構造部分)等に使用されてきました。「H3」ロケットにおいても、引き続きモータケースに「トレカ®」が使用されるとともに、新たにフェアリング部分(衛星等を格納するロケット先端部分)に高強度炭素繊維と高靭性樹脂を使用して設計した「トレカ®プリプレグ」が採用されています。
 フェアリングに使用される「トレカ®」プリプレグは、自動積層用に設計されたテープ状プリプレグであり、従来のオートクレーブ成形に加え、オーブン成形を可能にするなど、複雑形状・大型構造材の効率の良い成形加工を可能としました。
 近年、放送・通信、測位(GPS)、地球観測、防災など、様々な分野での人工衛星の活用が拡大し、打上げ用ロケットの需要も年々増加しています。打上げコスト削減及び高性能化が要求され、今後ますます複合材の採用拡大が見込まれており、東レは、高性能炭素繊維、ならびに、高機能炭素繊維複合材の更なる開発・供給を通じて、宇宙分野の拡大を推進します。

(参考)H3フェアリング(試験用)
高性能炭素繊維プリプレグ採用

(参考)H3固体ロケットブースタ
高性能炭素繊維採用

 東レは中期経営課題"プロジェクトAP-G 2022"の基本戦略の一つとして「成長分野でのグローバルな拡大」を推進しており、炭素繊維複合材料事業は、その戦略に則った拡大領域と位置付けています。企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」のもと、課題解決に最適な素材をグローバルに提案・提供することで、社会の発展に貢献してまいります。

参考リンク

■ H3ロケット事業 内容紹介(JAXA ホームページ)
H3 https://www.jaxa.jp/projects/rockets/h3/index_j.html

■ 当社炭素繊維 トレカ® ロケット用途ページ
トレカ https://www.cf-composites.toray/ja/markets/mobility/space/launcher.html